災害が起きた時、最初に手に取るものは何でしょうか。
多くの人は、スマホを見ると思います。
家族に連絡する。ニュースを見る。避難情報を確認する。地図を開く。停電情報を調べる。安否を伝える。
今の暮らしでは、スマホが防災の中心になっています。
しかし、大きな災害が起きた時、スマホがいつも通り使えるとは限りません。
停電で充電できない。通信が混み合って電話がつながりにくい。基地局や回線に障害が出る。SNSには不確かな情報が流れる。
その時、家族とどう連絡を取り、どの情報を信じ、どの順番で確認すればよいのでしょうか。
災害時に困るのは「情報がないこと」と「情報が多すぎること」
災害時の情報トラブルには、2つのタイプがあります。
ひとつは、停電や通信障害で必要な情報が入らないこと。
もうひとつは、SNSやメッセージアプリで情報が多すぎて、何を信じればよいか分からなくなることです。
特に、地震、豪雨、台風、停電が同時に起きるような状況では、家族の安否、避難情報、道路状況、停電復旧、給水所、避難所、学校や職場の対応など、確認したいことが一気に増えます。
焦ってSNSだけを見続けると、不確かな情報に振り回されたり、本当に必要な公式情報を見落としたりすることがあります。
災害時に大切なのは、情報をたくさん集めることではありません。
「誰に連絡するか」「どこを見るか」「何を信じるか」を先に決めておくことです。
まず家族で決めたい「連絡の優先順位」
災害直後は、家族全員に一斉に連絡したくなるものです。
しかし、電話がつながりにくい時に何度も発信すると、回線の混雑につながることがあります。
また、家族それぞれが別々の相手へ連絡していると、情報が行き違いになることもあります。
そこで、平時に決めておきたいのが、家族連絡の優先順位です。
- 最初に安否確認する相手を決める
- 家族の代表連絡先を1人決める
- 県外の親族や知人を中継連絡先にする
- 電話がつながらない時はメッセージを使う
- 連絡できない時の集合場所を決める
- 子どもにも「誰へ連絡するか」を教えておく
ポイントは、家族全員が同じルールを知っていることです。
「お父さんに連絡する」「お母さんに連絡する」「県外の親戚に伝言を残す」など、家族の中でバラバラにならないようにしておきましょう。
災害用伝言ダイヤル171を家族で知っておく
災害時の連絡手段として、知っておきたいもののひとつが、災害用伝言ダイヤル171です。
災害用伝言ダイヤル171は、大きな災害時に、被災地への電話がつながりにくい場合などに提供される安否確認のためのサービスです。
使い方そのものを詳しく覚えていなくても、まずは「171という安否確認の手段がある」ことを家族で共有しておくことが大切です。
災害用伝言ダイヤル171では、あらかじめ家族で「どの電話番号に伝言を残すか」を決めておくと使いやすくなります。
自宅の固定電話番号、または家族で共有しやすい電話番号を、平時に決めておきましょう。
- 171を家族で覚えておく
- 伝言を残す電話番号を決めておく
- 家族全員がその番号をメモしておく
- スマホだけでなく紙にも書いておく
- 体験利用できる機会に試しておく
災害時は、スマホの連絡先を開けないこともあります。
そのため、家族の電話番号、集合場所、避難先、親族の連絡先は、紙でも保管しておくと安心です。
スマホの連絡先だけに頼らない
普段は、家族や親族の電話番号を覚えていなくても、スマホの連絡先を開けばすぐに分かります。
しかし、災害時にスマホのバッテリーが切れたり、画面が割れたり、紛失したりすると、連絡先そのものが分からなくなることがあります。
そのため、防災リュックや財布の中に、紙の連絡先カードを入れておくと安心です。
- 家族の携帯番号
- 自宅の電話番号
- 県外の親族や知人の電話番号
- 学校・職場の連絡先
- かかりつけ医や薬局
- 避難先の候補
- 家族の集合場所
紙の連絡先カードは、難しいものでなくて構いません。
小さなメモをラミネートする、財布に入れる、防災リュックに入れる、子どもの通学バッグに入れる。
大切なのは、スマホが使えない時でも、家族が次の行動を取れる状態にしておくことです。
情報収集は「見る順番」を決めておく
災害時は、情報を探そうと思えばいくらでも出てきます。
しかし、情報が多いほど安心できるとは限りません。
むしろ、未確認の投稿や古い情報を見てしまうと、不安だけが大きくなることがあります。
そのため、災害時に見る情報源の順番を決めておくことが大切です。
- 気象庁の防災情報
- 自治体の避難情報
- 電力会社の停電情報
- 通信会社の障害情報
- 公共放送・信頼できる報道機関
- 学校や職場からの公式連絡
- SNSは補助情報として確認する
災害時のSNSは、役立つ情報がある一方で、誤情報や古い情報も混ざります。
SNSで見た情報は、自治体・気象庁・電力会社・通信会社などの公式情報で確認する習慣を持ちましょう。
特に、避難所の開設状況、給水情報、道路通行止め、停電復旧、支援物資などは、最新情報が変わりやすい項目です。
スクリーンショットや転送されたメッセージだけで判断せず、発信元と日時を確認するようにしましょう。
家族のスマホに入れておきたい防災情報
災害時に慌てないためには、平時のうちにスマホの中を整えておくことも大切です。
必要なページをブックマークしておく、自治体の防災アプリを入れておく、通知設定を確認しておく。
こうした準備をしておくだけで、いざという時に情報へたどり着きやすくなります。
- 気象庁の防災情報ページ
- 自治体の防災ページ
- 自治体の防災アプリやメール配信
- ハザードマップ
- 電力会社の停電情報ページ
- 通信会社の障害情報ページ
- 家族の集合場所を示した地図
スマホは便利ですが、災害時にゼロから検索するのは大変です。
普段のうちに、必要な情報へすぐアクセスできるようにしておきましょう。
モバイルバッテリーは「持っている」より「充電されている」ことが大切
災害時のスマホ対策で欠かせないのが、モバイルバッテリーです。
ただし、モバイルバッテリーは持っているだけでは十分ではありません。
いざ使おうとした時に充電が空だったり、ケーブルが合わなかったりすると、役に立ちにくくなります。
- 月1回は残量を確認する
- 家族のスマホに合うケーブルを一緒に保管する
- 停電時に使う場所を決める
- 防災リュック用と自宅用を分ける
- 古いバッテリーは劣化していないか確認する
スマホは、連絡、情報収集、ライト、地図、決済、安否確認など、多くの役割を持っています。
そのため、電源確保は災害時の情報対策そのものです。
防災ラジオは「スマホ以外の情報源」として役立つ
スマホが使える時は、災害情報の多くをスマホで確認できます。
しかし、停電、通信障害、バッテリー切れが起きた時、スマホだけに頼るのは不安です。
そこで用意しておきたいのが、防災ラジオです。
ラジオは、スマホとは別の情報手段として使える可能性があります。
また、手回し充電、ライト、サイレン、スマホ充電機能などが付いたタイプなら、停電時の補助にもなります。
- AM/FMが受信できるか確認する
- 乾電池式か充電式か確認する
- ライト機能があるか確認する
- スマホ充電機能の有無を確認する
- 家族が置き場所を知っているようにする
- 定期的に動作確認する
防災ラジオは、買って箱に入れたままではなく、使い方を一度確認しておくことが大切です。
子どもにも「連絡できない時の行動」を教えておく
災害は、家族全員が家にいる時に起きるとは限りません。
子どもが学校にいる時、通学途中、習い事先、友だちの家、外出先で起きることもあります。
そのため、子どもにも「連絡できない時はどうするか」を分かりやすく伝えておくことが大切です。
- 学校にいる時は先生の指示に従う
- 通学中は安全な場所に移動する
- 家族に連絡できない時の集合場所を知っておく
- 知らない人の情報だけで動かない
- 家族の電話番号を紙で持つ
- 災害用伝言ダイヤル171を家族で練習する
子どもには、難しい説明よりも、具体的な行動ルールが有効です。
「連絡が取れない時は、ここへ行く」「学校にいる時は先生の話を聞く」「知らない人について行かない」など、短い言葉で共有しておきましょう。
離れて暮らす親とは「暑さ・停電・避難」の連絡ルールを決める
高齢の親が離れて暮らしている場合、災害時の連絡ルールは特に大切です。
大雨、台風、地震、停電、猛暑。
こうした時に、毎回その場で連絡方法を考えるのではなく、あらかじめ確認するタイミングを決めておきましょう。
- 台風や大雨の前日に連絡する
- 停電時に使えるライトや電池を確認する
- 暑い日は室温とエアコン使用を確認する
- 避難所や親族宅の候補を共有する
- スマホが使えない時の電話番号を紙で持ってもらう
- 近くに様子を見に行ける人を決めておく
特に夏の停電時は、熱中症リスクも高まります。
災害時の連絡ルールは、安否確認だけでなく、暑さ対策や避難判断にもつながります。
今日からできる家族連絡・情報収集チェックリスト
最後に、家庭で確認しやすいチェックリストをまとめます。
- 家族の代表連絡先を決めた
- 県外の親族や知人を中継連絡先にした
- 災害用伝言ダイヤル171を家族で確認した
- 伝言を残す電話番号を決めた
- 家族の連絡先を紙に書いた
- 集合場所を2か所決めた
- 自治体・気象庁・電力会社のページをブックマークした
- SNS情報は公式情報で確認するルールを決めた
- モバイルバッテリーの残量を確認した
- 防災ラジオの置き場所と使い方を確認した
- 子どもに連絡できない時の行動を伝えた
- 離れて暮らす親との連絡ルールを決めた
まとめ:災害時の安心は「連絡ルール」と「情報の見方」で変わる
災害時、スマホはとても大切な道具です。
しかし、スマホだけに頼りすぎると、停電、通信障害、バッテリー切れ、不確かな情報に弱くなります。
だからこそ、家族の連絡ルール、紙の連絡先、災害用伝言ダイヤル171、公式情報の確認先、モバイルバッテリー、防災ラジオを組み合わせておくことが大切です。
防災は、特別な道具をたくさん買うことだけではありません。
「連絡が取れない時はどうするか」
「どの情報を先に見るか」
「スマホが使えない時の代わりはあるか」
この3つを家族で決めておくだけでも、災害時の不安は大きく変わります。
今日からまずは、家族の電話番号と集合場所を紙に書くことから始めてみてください。


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